人工関節などの障害認定日の特例


【Q】3年前から膝関節の痛みがあり、通院していました。最近医師に勧められて人工関節の手術をしたので、障害年金を請求しようと思っています。

ネットで調べてみると、人工関節の手術をした日が障害認定日とのことでした。しかし、私の場合初診日から1年6か月経過した日が障害認定日と言われました。どうしてでしょうか?

 

 

 

【A】初診日から1年6か月経過する前に人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、その手術した日が障害認定日となります。ですが、初診日から1年6か月を超えた後に手術を受けた場合は、初診日から1年6か月経過した日が障害認定日となります。

初診日が3年前であれば、既に1年6か月経過しています。

障害認定日とは


「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日、又は1年6月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)を言います。

人工関節、人工骨頭(人工股関節)の手術を受けた場合の特例


国民年金・厚生年金保険 障害認定基準によると、人工関節や人工骨頭(人工股関節)の手術を受けた場合の障害認定日の特例について次のように謳われています。

 

障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とする。

 

 

 

 

 

即ち、初診日から1年6か月経過するまでに人工関節などの手術を受けた場合は、初診日から1年6か月経過していないけれども手術した日を障害認定日とします!ということです。

 

一方で初診日から1年6か月経過した後に人工関節などの手術を受けた場合は、原則通り初診日から1年6か月経過した日が障害認定日となります。

 

障害認定日の特例


人工関節や人工骨頭の手術以外にも初診日から1年6か月経過する前に障害認定日とされる特例があります。

 

 

【音声又は言語機能】

  • 喉頭全摘出 → 喉頭全摘出日

 

【肢体】

  • 人工骨頭、人工関節を挿入置換 → 挿入置換日
  • 切断または離断による肢体の障害 → 切断または離断日(障害手当金は創面治癒日)
  • 脳血管障害による機能障害 → 初診日から6ヵ月を経過した日以後

 

【呼吸器疾患】

  • 在宅酸素療法 → 開始日(常時使用の場合)

 

【循環器(心臓)疾患】

  • 人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD) → 装着日
  • 心臓移植、人工心臓、補助人工心臓 → 移植日または装着日
  • CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器) → 装着日
  • 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントクラフトも含む)を挿入置換 → 挿入置換日

 

【腎疾患】 

  • 人工透析療法 → 透析開始日から起算して3ヵ月を経過した日

 

【その他の疾患】

  • 人工肛門造設、尿路変更術 → それらを行った日から起算して6月を経過した日
  • 新膀胱造設 → 造設日または手術日
  • 遷延性植物状態(遷延性意識障害) → その状態に至った日から起算して3ヵ月を経過した日以後