【悲報】人工関節・人工骨頭で3級に認定されないケース


障害認定基準(平成29年12月1日改正)によると、肢体の障害のうち、上肢の障害について次のように基準が定められています。

 

■上肢の人工骨頭・人口関節に関する認定基準

人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱う。

【ア】一上肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両上肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定する。
ただし、そう入置換してもなお、一上肢については「一上肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両上肢については「両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する。

【イ】障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。

上肢の3大関節とは、肩関節、肘関節、手関節を言います。

認定基準から考えると左右上肢の3大関節、合計6つの関節のうち1か所でも人工骨頭又は人工関節をそう入置換されていれば、3級に認定されると思われます。

 

肘関節は、上腕骨、尺骨及び橈骨の3本の骨により構成されていますが、肘の屈伸の主体である上腕尺骨関節の人工関節そう入置換されている場合は3級に該当するものの、上腕橈骨関節の橈骨頭に人工骨頭をそう入置換した場合は、障害認定基準(3級)に該当しないとの取扱いがなされました。

 

これは、橈骨頭に人工骨頭をそう入置換のみの場合、肘関節の部分置換にあたるため「3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したもの」に該当しないとの見解のようです。

 

 

 

人工骨頭又は人工関節をそう入置換術が行われた部位は、股関節と膝関節の2つの関節で大多数を占めています。

したがって、肘関節の自体も少ない状況であり、更に橈骨頭に人工骨頭をそう入置換となると、全体の割合からみてかなり少数ではあると思います。

 

人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、3級確定とのイメージを持たれている方も少なくないかと思いますから、注意が必要です。

 

 

 

▼肘関節の人工関節そう入置換の取扱い(日本年金機構HP)

https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/01.pdf